MR−Sにエア・スポイラ取付

今回は乗用車MRーSにリア・エア・スポイラを取付けました。

高速走行時の空気の流れを利用して、車を路面に押さえつける役割があるそうです。見た目ばかりではないようですね。

ただ、エア・スポイラなどエアロパーツ取付にも法規があります。保安基準をしっかり守って取り付けなければなりません。ただこのリア・エア・スポイラ取付にあたり若干のトラブルがありました。違法の様にも見えますが、中京車体で取付し出荷するのですからもちろん合法です。

エア・スポイラは道路運送車両法の第18条車枠及び車体に記述があります。今回は使用過程車に取り付けましたので、保安基準 第3節(使用過程の基準)が適用されます。国土交通省のサイトから最新の道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2017.06.22】〈第三節〉第 178 条を観ていきましょう。

一般的に翼端板付のリア・スポイラの幅は車幅両端からそれぞれ165mm以上内側と言われています。実はこのリア・スポイラは135cmと書かれていましたが、主翼が135cmでした。翼端板まで含めると優に幅135cm以上ありました。1,695-165×2=1,365なので135cmなら収まったのです。

オーバーフェンダーなどで車体を拡幅すれば範囲に入りそうなのですが、写真のMR-Sは5ナンバー枠ギリギリの全幅1695mmのため、拡幅すると普通自動車になってしまいます。ウイングの切り縮めも難しい。

さて、どうしようか?

一番肝心な実際の規則は下記の通りです。

第 178 条 2 三 ニ 
エア・スポイラは、側方への翼状のオーバー・ハング部(以下「ウイング」とい う。)を有していないものであること。ただし、ウイング側端の部分と車体のすき 間が 20mm を超えない等ウイング側端の部分と車体とのすき間が極めて小さい場 合、ウイング側端が当該自動車の最外側から 165mm 以上内側にある場合又はウイ ング側端が当該自動車の最外側から 165mm 以上内側にないウイングの部分が歩行 者等に接触した場合に衝撃を緩衝することができる構造である場合にあっては、こ の限りでない。この場合において、ウイング側端付近に、車両中心線に平行な後向き方向に 245N 以下の力を加えたとき、当該自動車の最外側から 165mm 以上内側に ないウイングの部分がたわむ、回転する又は脱落するものは、「ウイング側端が当 該自動車の最外側から 165mm 以上内側にないウイングの部分が歩行者等に接触し た場合に衝撃を緩衝することができる構造」とする。

原文だとわかりにくいでしょうが、つまり、ものすごく平たく言うと、翼端板のあるリア・スポイラは、

  • 翼端板と車体の隙間が20mm以下
  • ウイングの両端が車体の最外側から165mm以上内側に装着されている
  • 歩行者にぶつかっても危なく無いような衝撃緩衝構造

のいずれかにしなさいと言うことです。。これを見ると世の中問題のあるGTウイングを付けている車が多く有りそうですね。

3項目目もFRPで丸みもあり歩行者を傷つける危険性はなさそうですが、正式に評価試験されているわけではないので微妙です。

仮合わせしてみたら・・・、翼端板と車体の隙間が20mm以下になりそうです。取り付けてみたところ写真の様になり見事この基準をクリア。

第 178 条 2 三 ニ
エア・スポイラは、溶接、ボルト・ナット、接着剤等により車体に確実に取り付 けられている構造であること。

こちらは、緊急車両の警光灯(赤色灯)なども風圧に耐えられるよう補強を入れてしっかり取り付けている中京車体にとってはお手の物です。某日本一長い直線を持つサーキットのマーシャルカーも手がけた事があります。今回もエンジンフードにしっかり補強を入れて取り付けています。

ちなみに第1節(型式指定自動車等)でもこの法規は同じですので、新規登録車両でもこの基準に適合していれば問題ありません。

車、バスなどお困りなことがございましたらご相談ください。

ご要望に沿いかねる場合もございます。その際はご了承いただきますようお願い申し上げます。

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